55ノート2(デュシャン・チェス本)

55-9-2-p36-71bis

<勝ちのバリエーションについての注記>

p36

 再掲図71(=図75、80)。
84_71%7E75%7E80bis.jpg

 黒キングは狙いのマス目A(f6)を占拠している。
 図71、75では黒番であり、白勝ち。
 同じ図80では白番だが、これも白勝ち。
 これとシンメトリカルな関係が、もう一つの狙いのスクエアB(g5)でも見られる。
  白キングがc3(E)に、黒キングがg5(B)に。
  手番がどちらでも白勝ち。

 より踏み込んで言えば、興味深いことに、白キングが主要領域内で占拠しているマス目のシスター・スクエアに、黒キングが1手でたどりつけないときは、“手番に関係なく”白勝ちなのである。例外としてドローになる場合がある。それは、白キングがb縦列上にいるときで、黒キングが白キングがいるマス目に対し、“横列6”で二次的ヘテロドックス・オポジションを取っているとき、もしくは、黒番であり、そうした“横列6”に行くことができるときである。

 具体的には、白キングがb2(K)に、黒キングがh6(D)にいる場合。
       白キングがb3(J)に、黒キングがg6(C)にいる場合。
       白キングがb4(I)に、黒キングがf6(A)にいる場合。
       白キングがb1(j)に、黒キングがg6(C)にいる場合。
 いずれも手番に関係なく、ドローである。

55-9-2-p36-77bis

<勝ちのバリエーションについての注記>

p36

 再掲図77。
84_77bis.jpg

 一方、ここでは白キングはオポジションの打開をしている。白キングはb1(j)から移動してきたが、Kb2(K)と二次的ヘテロドックス・オポジションを取って主要領域に入ることもできた。しかし、勝つためには、いずれオポジションを打開しなければならない。
 ここでKc2(F)とオポジションを打開することで、勝ちが早くなる。

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<いとう註:まさに「勝ちのバリエーション」についてくわしくなってきた。オポジションを打破、打開するタイミングによって勝利に差が出る……らしい。
 デュシャンに関するオポジションの説明において、これまで“見合い続ける”ことばかりが言われてきたのだが、これは間違いだということになる。“見合い”、その視線を外すこと。外し方が決定的な意味を持つというのが正確である>

55-9-2-p35-84

<ドローのバリエーション>

P35

 問題図(図84)を黒の手番として、Kg7!としてみる。黒は二次的ヘテロドックス・オポジション(c3-a1の対角線上のオーソドックス・オポジション)を取っている。これを先述のドローのバリエーション同様に維持してドロー。
84.jpg

55-9-2-p34-83

<ドローのバリエーション>

p34

 図83。
83.jpg
 
 ここでは 、Tattersall が(二次的、主要領域内の)ヘテロドックス・オポジションを使って示したドローの変化を紹介する。

1 Ka2? Kh7! 横列上の二次的ヘテロドックス・オポジションを取った。
2 Ka3  Kg7  横列上の二次的ヘテロドックス・オポジションを維持。
3 Kb2  Kh6  主要領域内で、横列上の二次的ヘテロドックス・オポジションを取った

4 Kc2  Kh7
5 Kc3  Kg7
6 Kc4  Kf7
7 Kd3  Kg6
8 Ke2  Kh5
9 Kd2  Kh6 ドロー


 黒は4 ... Kh7以降、主要領域内でヘテロドックス・オポジションを維持する。勝ちを目指さない限りヘテロドックス・オポジションを打開する必要はなく、ドローとなる。

 3 Kb2(K)には、黒Kh8(K)と主要領域内のヘテロドックス・オポジションを取ってもドロー。

 付記。1 Ka2?に、黒Kg7とするドローの変化もある。黒はeポーンを狙っている。このため、白はaファイルを離れざるを得ない。

2 Kb3(J)なら、
黒Kg8(J)として、主要領域内のヘテロドックス・オポジション。もしくは、
黒Kg6(C)として、主要領域内の横列上の二次的ヘテロドックス・オポジション。

2 Kb2(K)なら、
黒Kh8(K)として、主要領域内のヘテロドックス・オポジション。もしくは、
黒Kh6(D)として、主要領域内の横列上の二次的ヘテロドックス・オポジション。

2 Kb1(j)なら、
黒Kg8(J)として、ファイル上の二次的ヘテロドックス・オポジション(b3-b1のオーソドックス・オポジションの延長)。もしくは、
黒Kg6(C)として、対角線上の二次的ヘテロドックス・オポジション(d3-b1のオーソドックス・オポジションの延長)。


 図83。
 
 1 Kb2?には、黒はKh8と主要領域内のヘテロドックス・オポジションを取り、先述のドロー変化と同じ結果となる。

 上記の変化で示したように、黒キングにはドローに持ち込むのに2つの選択肢がある場合が多い。一方の白キングは、どの場合も勝ちを求める以上、変化のしようがない。

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<いとう註:もうここはO君の訳をほとんど丸写しです>

55-9-2-p33-82

<ドローのバリエーション>

p33


 最後に、初手で白Ka2?とした際に、ドローに持ち込む方法を説明する。

 図82。
82.jpg

 この方法は、白キングなら勝ちになる手順を黒キングに置き換えたものである。つまり、白キングが二次的領域にとどまっている間、または主要領域に入ってヘテロドックス・オポジションを取っている間、黒キングは二次的領域にとどまる。
 黒キングは、aファイル上の白キングに対して二次的ヘテロドックス・オポジションを取るが、これが縦列上のオポジションではなく、横列上のものであることに注意する。図82でこれを示した。
 黒キングは、横列上の二次的ヘテロドックス・オポジションを取っている。a2は同じランク上のc2とオーソドックス・オポジションであり、c2はh7とヘテロドックス・オポジションである。

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<いとう註:黒キングから見た二次的ヘテロドックス・オポジションは、横列(ランク)上のオポジションとなる。この位相の変化が興味深い。
 白、黒の主要領域は単に対称的なのではなく、いわゆる「手袋」のようなねじれを持っている。それは手袋のように決して同方向には重ならない。そして、このオポジションの場合、縦と横にずれて存在する>
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