55ノート・デュシャン本翻訳

55-9-2-p18-36

  最短ルート

p18
 
 それぞれのキャンプにおいて、狙いのマス目から、別の狙いのマス目への最も短い移動経路を最短ルートと呼ぶことにする。

 d4とe3の2つのマス目が白の狙いのマス目であり、g5とf6が黒の狙いのマス目である。それぞれは斜めに隣接している。正確にいえば、最短ルートというものはない(図36)。
36.jpg

 この Locockのエンディング作品では、最短ルートは、狙いのマス目d4から、狙いのマス目e3への移動に縮小されていると言える(黒でいえば、f6からg5への移動)。

 しかしながら、こうした縮小した最短ルートを考えていくことで、シスター・スクエアと両キングの主要領域(訳注:the principal domains)を確定することができる。

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<いとう註:「正確にいえば、最短ルートというものはない」というのが少々やっかいである。ここでは、手番を自分に有利にするためには最短ルートを通らないことがある、とだけ言っておく。三角法のような形で迂回をしなければ、ツークツワンクにおちいるということが想定される>
<いとう註:O君は「狙いのマス目」を「次手に狙いを見せるスクエア」と訳している。これは正確である。白d4、e3はそれぞれ、その次に黒を後退させ、自分の次手で1:白キングe3からf4か、2:白dポーン前進というのが必殺手だから。が、ここではなるべく逐語訳的にした。英語原文では「threat-square」である>

55-9-2-p18-35

  白キングの2つの狙い

P17

 図35でもわかるように、2つの狙いにおいて、手番によって勝ちかドローかが決まる場合、両キングの間には相関関係がある。
35.jpg

 手番でなければ、白勝ち。
 手番なら、白はただちに退却しなければならない。

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<いとう註:二月中、風邪で寝込んだりしていたため、がぜん三月は急いで訳している。三月後半にもこのペースが持続出来るといいのだが……。maroさんの分析コメントも続いているので、なんとか頑張りたいのですが。
 「白キングの2つの狙い」はここまで。
 次々回にはついに「シスタースクエア」の章に突入>

55-9-2-p17-34

  白キングの2つの狙い

P17

 図34。
34.jpg

 狙い-2。
 白キングはKd4か、ポーンをe5に進めることを狙っている。
 この白e5は、黒キングがf6にいると勝ちにならない。

 しかし、図34で黒番だと、黒キングはf6を放棄せざるを得ず、白e5で勝ちになる。

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<いとう註:白ポーンがe5なら、黒d6ポーンがそれを取る。白キングは黒キングが控えている以上、黒e5ポーンを取れずに後退せざるを得ない。したがって勝ちにはならない。
 しかし、手番によってツークツワンクを黒に強制出来れば、黒キングはf6から移動せざるを得ないので、白が勝ちとなる。白キングはその後、黒dポーンを取りに行けるからである>

55-9-2-P17-33

  白キングの2つの狙い

P17

 図33。
33.jpg

 手番でなければ、白キングはf4に侵入して勝ち。

 手番なら、白キングは退却せざるを得ずドロー。


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<いとう註:ここでも黒が手番なら、ツークツワンクによって黒キングは図33の位置から後退せざるを得ず、白キングはやすやすと f4 に侵入。gポーンを手に入れて圧倒的に優勢になる(ふせがれていない白ポーンがgとeにあるのだから>

55-9-2-p17-32

  白キングの2つの狙い

P17

 狙い-1。
 白キングはf4の占拠を狙う。

33.jpg

 図32を見てみよう。白勝ちになるには、1:手番でなければ、g4ポーンを取る。2:手番なら、ポーンをe5に進める。

 白キングがf4に進むには、e3を通る必要がある。黒キングは、致命的であるこのf4への侵入を阻止するために、白キングがe3に達したら、g5を占拠しなければならない。

 つまり、狙い-1に関する白勝ち、およびドローの必要条件は図33となる。

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<いとう註:「1:手番でなければ、g4ポーンを取る」とはもちろん、手番でなければ黒キングが後退せざるを得ないからである。つまり図32からすれば、黒キングはツークツワンクに涙を飲む>
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