<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

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 Dedrle フォーメーションの例をさらに。図24。
 白はディスタント・ヴァーチャル・オポジションを取る。

1 Kg8! Kb6
2 Kf8! Kc6
3 Ke8! Kd6
4 Kf7(白は黒にオポジションを譲るが、黒はふさがれたスクエアがあるため、維持できない)
4 ...   Kd7
5 Kf6  Kd6
6 Kf5  Kd5
7 Kf4! Kc4
8 Ke4  Kc5
9 Ke5  Kc4
10 Kd6  Kc3
11 Kd5 白勝ち。1 ... Ka5 なら、2 Kg7!など。+-


 1852年5月の「チェス・プレイヤーズ・クロニクル」には、Kling & Horwitz作による同種のエンディング作品が掲載された。
 白キング:c6、ポーン:e4、ポーン:c4
 黒キング:e6、ポーン:d6
 白先手でドロー。

1 Kb6  Kf6
2 Kb7  Kf7
3 Ka8  Ke8
4 Kb8  Kf8!
5 e5   Ke7
ドロー。
4 ...   Kd8?
5 Kb7  Kd7
6 Kb6 白勝ち。

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<いとう註:デュシャンらの注にかまわず、棋譜通りに進めれば、図24の11手目に白黒両キングは相手ポーンをとる。そして、白のeポーンが残り、白はキングとポーンの2駒あって勝ち。
 ただし、「4 Kf7(白は黒にオポジションを譲るが、黒はふさがれたスクエアがあるため、維持できない)」がわからず。まだ黒キングは自軍ポーンにふさがれたd4には届かないからである。ともかく、バーチャルオポジションを取り続けた白キングが、この4手目のKf7において通常のオポジションをとり、それは6手目まで続くことは確か。7手目からは白キングがバーチャルオポジションに戻るが、そうしながら黒ポーンの背後のd6(+のしるしがあるマス目)を占拠する。つまりこの黒のクリティカル・スクエアを狙うために、白は動いていたことになる……。
 Kling & Horwitz作のエンディングでは、黒キングがバーチャル・オポジションをとり続け、白eポーンが出てくれば、すかさず対応。別パターン(4 ...   Kd8?)では、黒キングは自軍ポーンにふさがれて、白キングがポーン狙いで下がっていくのを止めることが出来ない。白キングはやがてたったひとつの黒ポーンを取って勝ち>

<いとう註:図の上に「Fr.Dedre.Cas.Ces.Sach,1921」、下に「白番で勝利」とある>