<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

P10,11 

 例として、Fr. Dedrle は以下のキングのポジションを載せている(『研究』P.74、図20)。

20.jpg


a)白キング:g3、黒キング:e5、黒先手で白勝ち

1 ...   Ke4
2 Kg4  Ke5
3 Kg5 (プリンシパル・ライン上のオポジション)
3 ...   Ke6
4 Kf4  Kd5
5 Kf5! Kd6
6 Ke4+-(白優勢、境界のマス目の占拠)


b)白キング:g4、黒キング:e6、白黒どちらが先手でも白勝ち。

例えば、白先番なら白はこうする。
1 Kf4! Kd5!(他では2 Ke4+-)
2 Kf5! 白がプリンシパル・ライン上でオポジションを取り+-。
黒先手なら、黒には2通りの手段がある。
1 ...   Kd6 もしくは 1 ...   Ke5
2 Kf4! Kd5           2 Kg5(プリンシパル・ライン上のオポジション)
3 Kf5 など+-       2 ...   Ke4
                             3 Kf6 など+-


c)白キング:g2、黒キング:c7、黒先手でドロー

1 ...   Kd6!
2 Kf3  Kd5!
3 Ke3  Ke5
4 Kd3  Kd5!(プリンシパル・ライン上のオポジション)
など

2つの特別なケース。
d)白キング:g6、黒キング:c6、白先手で白勝ち。
 このケースは原則を否定しているように思える。というのも、黒キングがすでにd6-h6のプリンシパル・ライン上でオポジションを取っているからだ。しかしながら、黒はc4を支配されているため、オポジションを維持できない。

1 Kg5! Kc5
2 Kg4! 白勝ち。

e)白キング:g2、黒キング:e4、どちらが先手でもドロー。

1 ...   Kd4!
2 Kf2  ... (2 Kf3 Kd5!=)
2 ...   Ke4
3 Ke2  Kd4
4 Kd2  Ke4!=

 この Fr. Dedrle 作とよく似たエンディングが、1972年に出版されたZuylen van Nyevelt の著作「考え得る限りのチェスの優れた点と、特にご婦人方が好まれるその娯楽性など」で取り上げられている。



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<いとう註:様々な可能性について言及されているが、基本的に、プリンシパル・ライン上に入った相手キングに対してオポジションを取る方が優勢になる。また、唯一の例外はd)とe)だと示される。
 e)においては、白キングが黒キングへのオポジション(プリンシパル・ラインd上の)を取るにもかかわらず、黒キングが境界のマス目を手放さず、相手陣営に踏み込むことが出来ない>

<いとう註:図の上に「F.Dedrle.Studie,1921」とある>