<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

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 さて次は、もっと難解なケースへと進むことにしよう。

 境界のマス目は(その名が表すように)、勝ちの“ゾーン”の境目を示している。境界のマス目をどれか“1つ”でも占拠すればポーンを取れることは、すでに述べた。ましてや、白キングが境界のマス目の“背後”に侵入している場合には、いつでもポーンを取ることが可能なのであった。

 図19では勝ちのゾーンを点線で示している。e5およびe6は、e4と同様に守るべき地点である。プリンシパル・ラインがそこを通っているのだから。図ではプリンシパル・ラインをABで示している。もう1本のプリンシパル・ラインにACがあり、境界のマス目であるc4-d4-e4の中央を通っている。

 したがって勝利するには、白キングが“オポジション”を使い、図19上に正しい軌跡を描きながら、どちらかのプリンシパル・ラインに到達すればよいのである。逆に言えば、黒キングがそれを阻止することができれば、図19はドローになる。

19.jpg

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<いとう註:e6にプリンシパル・ラインが通っているというのが、わかりにくい。点線で示された“ゾーン”の境を形成するマスはすべて重要だということの一端だろうか。
 なんにせよ、プリンシパル・ラインに到達すれば、境界のマス目を自動的に得るのだろうが、そこに「正しい軌跡」という注文が来る。図17、18で示されたように、“先にプリンシパル・ラインに入ってはいけない”からである。
 入るべき線上があっても、相手が先にその上に来るのをじっと待つ。
 ここまでの理解では、戦略は以上に尽きる>

<いとう註:図19の上には「Fr.Dedrle Studie,1921」とある>