<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

P9

 ここで、境界のマス目への攻撃に、“プリンシパル・ライン”の考え方を応用してみる。
 図17を分析しよう。
 プリンシパル・ライン上(この例ではfの縦列)でのオポジションの主な重要性を、我々はすでに知っている。1 Kf2ではKf6(もしくはKf8)とされ、黒がプリンシパル・ライン上でオポジションを取ってしまう。同様に、1 Ke1もしくはKe2なら黒キングはe列にとどまり、白キングがf列に移動せざるを得ないときに、プリンシパル・ライン上でオポジションを取る。白が勝つ方法は、黒キングが先にプリンシパル・ライン上へと移動するよう強制することである。そうしておいてから、白キングはプリンシパル・ライン上でオポジションを取る。
 これを実現するには、境界のマス目であるg6を直接アタックする。例えば:
1 Kg2  Ke~
2 Kg3  Ke~
3 Kg4  Ke~
4 Kg5  Kf7(強制)
5 Kf5 白勝ち


もし、
3 ...   Kf6なら、
4 Kf4  Kg6
5 Ke3(e4) Kf6
6 Kd3 
最終的には、白は境界のマス目であるa6を占拠する。

17.jpg

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<いとう註:「プリンシパル・ライン」はp7に出てきた。「“クリティカル・スクエア”の中央に引ける線」のことである。境界のマス目にこれを応用すると、縦に二本のプリンシパル・ラインが引かれる。図17ではb列とf列である。
「Ke~」とは、この図のおいて黒がe列のe8、e7のどちらかを動き続けることを指すのだろう。その間、白はクリティカル・スクエア目指してg列を一気に駆け上がり、とうとう黒キングはたまらずKf7とせざるを得ないという流れ。そこで白キングはKf5とし、ここでは割愛されているが黒Ke7。白キングは次の手でg6(境界のマス目)を占拠する。境界のマス目を取れば、相手ポーンをもらったことになるのは今までの説明通りである。
 また、1手目で白キングがKg2としたとき、黒キングがKd7に入って白のcポーンを狙ったしたらどうなるのか(最終的にKb4からc4ポーンを取ろうとするわけだ)? 白キングは入れなかったf列にすかさず侵入して駆け上がり、黒のdポーンを一手先に取ってしまう。これは素人考えであった。
 デュシャンらはそんなことは当たり前と、黒キングが3手目でKf6と先にプリンシパル・ラインに入ってくれば……と仮定している。その場合は白キングもプリンシパル・ラインf列に侵入し、手番が来た黒キングが勝負の場から後退するのを待って、図の左側の境界のマス目に到達する>

<いとう註:図の上に「Fr.Dedrle」とあり、下には例の「白勝ち」が印刷されている>