55-9-2-p9-16

<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

P9

Abbe.Durand は図16の配置について、境界の原則における例外だと注意を促している。Kf7とするとステイルメイト。

16.jpg

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<いとう註:白キングがKf7とすると、黒はもはや駒を動かす場所がない。
 チェスの特徴的なルールとして、「自分の番なのに、動かせる駒がひとつもない」(『ヒガシコウヘイのチェス入門』より)場合、「ステイルメイト」とされ、引き分けとなる。
 ちなみに、チェスでは黒(必ず後手である)は引き分ければ勝利同然である(つまりサッカーでいうアウェイのと同じ感覚だ。この感覚を日本人はサッカーによって初めて知ったと言える。それはチェスに由来するセンスだと僕は考える)。
 ともかく、「境界のマス目はポーンの左右3マスずつ」という原則の例外がここで示されている>


<いとう註:「Abbe」の「e」にアクサンタギュがつく>

55-9-2-P9-15補注

<補註>

 以下は、O君が以前送ってくれたオックスフォード版のチェス解説本を訳したものである。
「Trebuchet」についての項目はこうなっている。

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「Trebuchet」

 以下の盤面に見られるツークツワンクの一種。

trebuchet.jpg


 手番の側が負ける。似たシチュエーションは他の横列、縦列でも現れ得る。Trebuchetは「罠」と訳すことが出来る。プレイヤーは相手の手番を確実にするまで、こうしたポジションになることを避けなければならない。DURANDとPRETIが1871年にこの用語を導入したが、別な例を使った。
 白キングKf5、Pd4に黒キングKb5、Pd5。
 白番なら1 Ke6 Kc6=、あるいは1 Kf4 Kb4かKb6かKc6=。しかし、1Ke5? Kc4ではいけない。
 黒番なら1.... Kc6かKb6=。しかし、1.... Kb4?、2 Ke6 Kc4 、3 Ke5ではない。
 プレイは1 Kf4 Kb4、2Kf5 Kb5と続くことだろう。キングのこうした上下の動きは力関係の操作を示し、別な意味での「罠」となる。

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<いとう註:やはり「罠」でいいようだ。
 デュシャン本への補注とすれば、この図のような盤面作りはいわゆる「罠」であって不可だと付け加えているのである>

 

55-9-2-P9-15

<オポジション>あるいはオーソドックス・オポジション

P.9

 図13で白キングをb5に、黒キングをf4に置いてみる(図15)。両キングはともに敵のポーンの境界上におり、当然手番を握っている方がポーンを取ることになる。例えば黒先手とすると、
1 ...   Ke3!
2 Kc5  Ke4-+

 1 ... Ke4で始めるのは誤りである。2Kc5とされ、白がポーンを取ることになる。

 この手筋を“トレビュシェ”と呼んでいる。

15.jpg

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<いとう註:O君の訳だと「-+」のあとに「(黒優勢)」とある。そういう記号なのだろう。実際の印刷では、「-」の下に「+」があり、「+」の縦棒が「-」を貫いている。
 また「トレビュシェ(Trebuchet・最初のeにアクサンタギュ)」に「よろけ」という訳を当てているのもO君だ。チェス界の常識なのかもしれない。だが、ここは仏語辞典通り、「罠」(小動物用の罠)と訳しておく。
「当然手番を握っている方がポーンを取る」とは、境界上にいれば相手ポーンを取れるという法則を指す。したがって先手を打つ方が強い。
 ちなみに、黒がKe3で始めているのはオポジションの鉄則通りで、相手と色違いのマス目に移動しているのである。対して、誤りとされたKe4では黒はヴァーチャル・オポジションをとったことになる。それでは勝てない>
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